舞姫読んだ

青空文庫で読んだんで、正確には↓のじゃないけども。

舞姫

舞姫

 

  後味がすっきりしない物語だった、というのが読み終わって最初に抱いた感想。主人公の豊太郎の周りに流されてしまう自分に対する負の感情と、恋人のエリスの純粋がゆえの豊太郎に頼りきってしまう心の弱さに焦点を当てている。そのためどうしても展開が暗くなるのは仕方ないのだが、浪漫主義特有の、個人の心の弱さに焦点を当てた展開というのは当時では価値があったのかもしれない。

 

 文語体での表記なので、慣れてないとかなり読みにくい。例えば冒頭はこんな感じ。

石炭をばや積み果てつ。中等室のつくゑのほとりはいと静にて、熾熱燈しねつとうの光の晴れがましきもいたづらなり。

  読めないことはないのだけども、細部までは読み取れてない。文語体にもう少し慣れていたのなら違った感想を抱いたのかもしれない。

早わかり文学史読んだ

 DDDQ読んで疲れたので次は軽めの本を選択したんだけど、思った以上にさっくり読み終わった。

早わかり文学史 (中継新書)

早わかり文学史 (中継新書)

 

 

前に読んだ現代文の作者の本なんだけど、現代文の本の方で近代文学についてはこれ読めと進めてあったのが今回の本だった。近代文学についてはからっきしだったので、いい機会だと思って読んでみた。

New出口現代文講義の実況中継 1

New出口現代文講義の実況中継 1

 

 扱っているのは明治以降、昭和の戦前までで、文明開化によって海外で数百年培われてきた文学の思想が一気に流れ込んできた中、日本の文学観がどのように定着していったかという話。大体戦前までで文学ってこんな感じだよねっていうのが定着したらしいので、そこに至るまでの流れと、代表的な作品を紹介してくれている。

 

 あまりに一気に海外の文学が流れこんできたため、かなり混沌としていたようだ。ざっくりいうと坪内逍遥の「小説真髄」でそれまでの日本には政治小説以外ほとんど無かった、小説ってのはこう書くんじゃよっていう本が出た。これは写実主義で、主観を排して写実的に文章を書くべきだという主張だったらしい。で、新しい主張が出ると、それに反論する形で主張が生まれる。それが擬古典主義。そうこうしているとまた新しい見方が海外から入ってきて、それに反論する主張が出てきて、、という、海外からのINPUTと、それに対立する何かが必ず出るという流れだったようだ。

 

 受験対策用の本なので、かなりざっくりと書かれているのだが、その御蔭で逆にわかりやすかったというのもある。文明開化によって個人にフォーカスが当たり始めたり、海外の哲学的な考え方が文学と共に入ってきているのが読み取れた。このあたりは日本史と見比べて見ていくといいのかもしれない。

 

 

 あと気になったのは、それぞれの主義の説明がてら代表的な人と作品を共に紹介していたけども、森鴎外夏目漱石だけ別格扱いだった。やたら褒め称えていたので、刺激されて森鴎外の作品を読みはじめてみたので、次はその作品についての記事になる予定。

「Domain Driven Design(ドメイン駆動設計) Quickly 日本語版」を読んだ

ここのサイトからダウンロードできるドキュメントを読んだ。

Domain Driven Design(ドメイン駆動設計) Quickly 日本語版

 

↓の通称DDD本の要約ドキュメントだ。要約と言っても100ページあるのだが。

エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計 (IT Architects’Archive ソフトウェア開発の実践)

エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計 (IT Architects’Archive ソフトウェア開発の実践)

 

 

 

と、感想はこんな感じで、このドキュメントを読む前にDDD本を読んでいたので補強をするつもりで読んだ。

 

 quicklyの目次は以下。

 DDD本ではドメインモデルのあり方、ユビキタス言語あたりと、実践方法が大体1:2程度で書かれていたと思うが、quicklyでは2:1と、逆転している印象。詳細な実践方法を削り、原理を伝える点に焦点を当てていた。

 結局のところ、ユビキタス言語と言われるプロジェクト内での共通言語とドメインモデルの精度をプロジェクトでイテレーションを減るごとに再帰的に昇華していくこと、それによってドメインの理解を深めることが主目的だと思う。

 quicklyではDDDのコアとなるユビキタス言語のあり方、ドメインモデルの存在意義などがDDD本と同レベルに詳細に描かれている。ここで原理を抑えて、じゃあ実際にどうやっていくべきかという手法についてはDDD本の方を読んでくれ、という流れになるのだろう。いきなりDDD本を読むよりは、まずこのquicklyを読んでからDDD本に移った方が理解が早そうだ。

 

ドメイン駆動設計

そもそもドメイン駆動設計とはなんぞ?そのまえにドメインそのものが分からん、みたいな場合は勉強会のときにまとめた資料があるのでこちらをどうぞ。